青森地方裁判所 平成7年(わ)102号 判決 1995年10月23日
被告人会社
本店所在地
青森県五所川原市大字漆川字鍋懸一八九番地四
法人の名称
イズミボウリングセンター 株式会社
代表者の住居
青森県北津軽郡板柳町大字太田字前橋二〇番地一
代表者の氏名
木津新
被告人
本籍
青森県北津軽郡金木町大字嘉瀬字端山崎一五二番地の一
住居
右同所
会社役員
齊藤淑人
昭和二二年二月八日生
右両名に対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検査官森隆志及び私選弁護人中林裕雄各出席のうえ審理し、次のとおり判決する。
主文
被告人会社イズミボウリングセンター株式会社を罰金一〇〇〇万円に、被告人齊藤淑人を懲役一年に、それぞれ処する。
被告人齊藤淑人に対し、この判決の確定した日から三年間その刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人会社イズミボウリングセンター株式会社(以下「被告人会社」という。)は、青森県五所川原市大字漆川字鍋懸一八九番地四に本店を置きボウリング場の経営等を目的とする資本金七〇〇万円の株式会社であり、被告人齊藤淑人(以下「被告人齊藤」という。)は、平成七年八月三〇日まで被告人会社の代表取締役として同社の業務全般を統括していたものであるが、被告人齊藤は、被告人会社の業務に関し法人税を免れようと企て、売上高を除外するなどの不正な方法により所得を秘匿したうえ、
第一 平成二年四月一日から平成三年三月三一日までの事業年度における被告人会社の実際所得金額が三九五五万四三九三円であったにもかかわらず、同年五月三一日、青森県五所川原市字柳町一番地所在の五所川原税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が一九八万五四五〇円で、これに対する法人税額が五五万一二〇〇円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書(平成七年押第二七号の一)を提出し、もって、不正の行為により、被告人会社の右事業年度における正規の法人税額一四〇六万八一〇〇円と右申告額との差額一三五一万六九〇〇円を免れ、
第二 平成三年四月一日から平成四年三月三一日までの事業年度における被告人会社の実際の所得金額が二八三三万九九八〇円であったにもかかわらず、同年六月一日、前記五所川原税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が一七六万七七〇五円で、これに対する法人税額が四一万九六〇〇円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書(同押号の二)を提出し、もって、不正の行為により、被告人会社の右事業年度における正規の法人税額九七九万二〇〇〇円と右申告額との差額九三七万二四〇〇円を免れ、
第三 平成四年四月一日から平成五年三月三一日までの事業年度における被告人会社の実際所得金額が五二〇三万九二六六円であったにもかかわらず、同年五月三一日、前記五所川原税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が一九四万五二二六円で、これに対する法人税額が五〇万四六〇〇円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書(同押号の三)を提出し、もって、不正の行為により、被告人会社の右事業年度における正規の法人税額一八七一万四六〇〇円と右申告額との差額一八二一万〇〇〇〇円を免れ
たものである。
(証拠の目標)
以下の〔 〕に甲・乙として番号を掲記するものは、証拠等関係カード記載の検察官請求に係る証拠の番号である。
判示全事実について
一 被告人齊藤及び被告人会社代表者木津新の当公判廷における各供述
一 被告人齊藤の検察官に対する供述調書三通及び大蔵事務官に対する質問てん末書二〇通〔乙1ないし23〕
一 木津範子の検察官に対する供述調書二通及び大蔵事務官に対する質問てん末書一〇通〔甲21ないし30・42・43〕
一 斉藤こと齊藤裕(二通)、斉藤こと齊藤廣子、田中茂喜(二通)、三浦真幹、木津新、三浦しのぶ、坂田啓一、毛内金次郎及び木元猛の大蔵事務官に対する各質問てん末書〔甲31ないし41〕
一 大蔵事務官作成の売上高調査書、給与手当調査書、賞与調査書、福利厚生費調査書、消耗品調査書、修繕費調査書、受取利息等調査書、未納事業税認定損調査書、銀行調査書(二通)、現金調査書、預金調査書、貯蔵品調査書、建物等調査書、前払金調査書、短期借金調査書及び代表者勘定調査書〔甲8ないし17・44ないし50〕
一 イズミボウリングセンター株式会社の商業登記簿謄本〔甲2〕
一 大蔵事務官作成の領置てん末書〔甲3〕
判示第一の事実について
一 大蔵事務官作成の脱税額計算書(自平成二年四月一日至平成三年三月三一日)〔甲18〕
一 押収してある法人税確定申告書一綴(事業年度平成二年四月一日から平成三年三月三一日までの分。平成七年押第二七号の一)〔甲4〕
判示第二の事実について
一 大蔵事務官作成の脱税額計算書(自平成三年四月一日至平成四年三月三一日)〔甲19〕
一 押収してある法人税確定申告書一綴(事業年度平成三年四月一日から平成四年三月三一日までの分。平成七年押第二七号の二)〔甲5〕
判示第三の事実について
一 検察事務官作成の捜査報告書〔甲7〕
一 大蔵事務官作成の脱税額計算書(自平成四年四月一日至平成五年三月三一日)〔甲20〕
一 押収してある法人税確定申告書一綴(事業年度平成四年四月一日から平成五年三月三一日までの分。平成七年押第二七号の三)〔甲6〕
(法令の適用)
(一) 被告人会社について
法人税法一五九条一項、一六四条一項、刑法(平成七年法律第九一号附則二条一項本文により同法による改正前のもの)四五条前段、四八条二項〔求刑 罰金一二〇〇万円〕
(二) 被告人齊藤について
法人税法一五九条一項(いずれも懲役刑を選択)、刑法(前同)四五条前段、四七条本文、一〇条(判示第三の罪の刑に加重)、二五条一項〔求刑 懲役一年二月〕
よって、主文のとおり判決する。
(裁判官 嶋原文雄)